ジャガイモの植え付け方法

●ジャガイモの特性ジャガイモはトマトと同じナス科の作物です。冷涼な気候を好み、生育適温は20℃前後です。

関東で最も一般的な作型は春作(2月~6月)です。また秋作(8月下旬~11月下旬)も最近行われるようになりましたが、品種が限られてきます。植え付けてから数カ月で収穫できるので、栽培も簡単です。

ナス科の作物なので連作は向きません。少なくとも2~3年はナス科以外の作物を栽培して下さい。

●土づくりまずは畑に完熟堆肥を入れます。

土が硬い、水はけが悪い、病気も出やすいという場所には「ケルユーキ」をお薦めします。


「ケルユーキ」は海藻、珪藻土を主に大豆粕、米ぬかを発酵させ、EM菌(有用菌)や酵素を多く含む土壌改良肥料です。土の膨軟化と団粒化を促し、ふっかふかのやわらかな土になります。また各種ミネラル(マグネシウム、ケイ酸、鉄、マンガン、ホウ素)、ビタミン、アミノ酸がバランスよく豊富に供給され、糖度が向上します。海藻のアルギン酸が根の発育を促進し収量、糖度がアップします。ジャガイモのそうか病や生姜の腐敗病予防に効果的です。


堆肥や土壌改良剤の他に、よく入れられるのが石灰です。

ジャガイモの場合、少量なら問題ないですが、投入し過ぎたりした場合、pHが上がり、ジャガイモ特有のそうか病をもたらします。しかし、石灰などに含まれるカルシウムはジャガイモにとっても必要不可欠。

そこで紹介したいのがpHを上げずにカルシウムを補給できる肥料「カルミタス」です。

 

「カルミタス」は硫酸カルシウム肥料で、水に溶けやすいカルシウムのため土への浸透が早く、速効性があり、追肥にも使用できます。

また通常の石灰は土を硬くしがちですが、これは逆に土が団粒化し、ふっかふかの土に蘇ります。

さらにイオウを含んでいるので、アミノ酸、ビタミンの生成を高めます。このイオウはネギ、玉葱、ニラなどの風味を良くします。ジャガイモのそうか病対策の他、トマトの尻腐れ、うどんこ病、白菜などの芯腐れを抑制します。

後はジャガイモ専用肥料を加えてください。チッソよりリン酸、カリが高い肥料です。

●植え付けジャガイモはその大きさによってカットします。M玉なら2つ切り、L玉なら3~4つ切りにします。切り分けたジャガイモの断面に草木灰もしくは「じゃがいもシリカ」を付着させます。切り口が十分乾燥していれば加えなくてもよいですが、灰にはカリ成分を多く含み、シリカにはケイ酸白土を含み、腐敗防止の他、発芽発根促進をもたらしてくれます。


さあ、いよいよ植え付けです。株間25~30cm間隔で植えます。ジャガイモの切り口の向きですが、一般的には切り口を下にして植えます。しかしオススメは反対に切り口を上にして植える方法です。こうすることで芽の伸びる方法を一旦、湾曲させ混み合わない芽の出方になります。それにより一本一本ががっちりした茎になり、また混み合わない事で病気の発生を抑えます。さらに、弱い芽を成長させないようにし、芽かきと土寄せの作業を軽減できます。弱い芽は成長せずに淘汰され、しっかりした強い芽だけが地上に伸び、収量の増加につながります。